【レビュー】地球防衛軍5 老舗の味 EDF挽歌

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プレイ時間:250時間(レンジャーでHARDとINFERNOを1周ずつ、達成率55%)

プレイ済みのシリーズ作品:地球防衛軍4 地球防衛軍4.1 EDF:INSECT ARMAGEDDON

 

※主にオフラインレンジャーでの感想になります。

 

無双系シューター地球防衛軍シリーズの最新作。前作『地球防衛軍4.1』でほぼ完成されたと思えるデザイン、システム、バランスは完全なナンバリングの続編でどれほどの変化を遂げるか、期待と不安を抱えつつプレイした。

全体的な印象としては、完成形の前作をさらにブラッシュアップした結果、シリーズの長所は保ちつつも、硬派でリアルな味付けも加えようとした跡が見て取れる。

この調整は既に出来上がっていたガラス細工を更に削っていくような細心の注意によってなされており、ストーリーの印象や仕様変更など戸惑った点もあるが、基本的にはシリーズの伝統を受け継いだ正統な続編と言って良いだろう。

 

演出優先の序盤、変化を感じさせる中盤

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序盤は味方に付いて行き、無線や会話を聞く事がメインになっている。戦闘に関しては小競り合いがほとんど

本作はこれまでの地球防衛軍シリーズからストーリーラインを一新した完全なる「新章」である。それを強く印象付ける為、序盤では民間人だった主人公がEDFに入隊するまでの過程が描かれるのだが、率直に言ってこれはなかなか退屈だった。

巨大生物の襲来やマザーシップの登場など、序盤から派手に盛り上げようという意気込みは感じられるが、ゲームとしては敵との戦闘が散発的で、演出を見たり、無線や会話を聞く事に重点が置かれており、次のミッションをアンロックするための作業の様で、最初に正当な続編と書いておいて何だが、遊ぶ気満々だったのに、いきなり出鼻を挫かれた気分だった。

この辺りは開幕から敵との大規模な戦闘が主だった前作と比べて、かなりスロースターターな立ち上がりと言える。序盤と言うよりチュートリアルに近い。

このフラストレーションはミッション20辺りになってようやく解消されて来る。大量に出現する雑魚やマップのバリエーションなど、従来作のポジティブな側面が強調されたステージが多くなる。

更にミッションを進めて行くと、お待ちかねの怪獣(エルギヌス、アーケルス)や大ボス(クイーンや巨大前哨基地)も登場。ここから一気にアクセル全開になる。

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M22「前哨基地 偵察戦」より。敵の巨大前哨基地に接近する場面。スケールの大きさはAAAタイトルにも引けを取らない

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M37「怪生物撃滅計画」より。EMCと味方の大軍、敵の巨大怪獣、そして勇ましいBGMなどシリーズの魅力が凝縮されたミッションだ

加えて、中盤以降は新たな敵としてコロニストやコスモノーツが出現する。この敵は従来作でのヘクトル(巨大ロボット)に相当すると思われるが、ヘクトルが建造物を破壊しながらひたすら直進してきたのに対し、彼らは建造物を破壊せず、逆に建造物をカバーにして隠れながら攻撃して来る。

これにより、プレイヤー側も建造物を盾にしながら接近して、ショットガン等瞬間火力の高い武器で一気に制圧するというタクティカルな戦術が導入された。これは言ってみれば、地球防衛軍流のカバーシューティングであり、篭りや安置として利用されがちだった従来のマップに「立ち回り」を追加している。

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左脚を破壊され、這いずりながら攻撃するコロニスト

もう一つの大きな変化として、コロニストやコスモノーツには部位破壊の概念が存在する。足を破壊して動きを止めるか、武器を持った腕を撃って無力化するか、はたまたヘッドショットで一撃必殺を狙うか、中距離以遠の戦闘でも考えながら戦えるようにデザインされている。

部位破壊の導入は昨今のシューターでは一般的だが、地球防衛軍シリーズとしては革新的なアイデアであり、彼らとの戦闘は今作のハイライトの一つと言える。

 

命中率へのシフトとシリーズの様式美

ゲームとしては、基本的には前作を踏襲しながら、様々な改善、仕様の変更が見られる。

前作の4つの兵科は今作にも受け継がれ、同じミッションでも兵科、難易度によってプレイフィールがガラリと変わる楽しさは今作も健在。最高難易度になると敵を倒す順番や武器、マップ構造の選別など、パズルゲームの解を探すような戦略の必要性も変わらず、これだけの凄まじいボリュームでありながら相変わらずのバランス調整にはプレイしていて本当に恐れ入る。

アクションシューターとしても、「撃って、避けて、倒す」という、このジャンルの本能的快感は大切にされており、ロケットランチャーで雑魚をまとめて吹っ飛ばしたり、強力なボスを倒した時のカタルシスも健在。

この快感を強力に下支えするのが、豊富な武器と新規要素の補助装備によって強化された立ち回り、派手な攻撃エフェクト、そして銃弾やレーザーを敵に叩き込んでいる手応えを感じさせるヒット感である。敵は攻撃を受けると強烈なヒットストップが掛かり、止めを刺せばけたたましい悲鳴を上げ、重力判定を失って遠方まで吹っ飛んで行く。

このヒット感は、血飛沫の追加とエイリアンとの戦闘時における装甲を吹き飛ばす感覚によって、さらに強化されている。

システム面でも、基本60fpsで安定しているフレームレート(オンCoopで空爆を呼びまくったりするとさすがに落ちる)や、リトライ時でも全くストレスを感じない程短いロード時間なども前作と同様。

良い意味で「いつもの地球防衛軍」である。

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湧いた敵を片っ端から倒しまくるゲームデザインの根本は変わらない(M20「帰途の遭遇」より)

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大迫力のボスとロマン溢れる巨大ロボット戦も健在

 

決定的な変化を感じたのは以下の点(主にレンジャーについて記述)

①遠距離での命中率の低下
今作は遠距離ではなかなか弾が当たらない。これは主力の銃火器において距離による威力減衰の導入弾丸の重力落下が強調された事に起因する。結果として、遠距離では偏差射撃を要求される場面が増えた。この傾向はハチやタッドポウル等との対空戦闘において特に顕著になる。

②マップと敵のデザイン
これに拍車を掛けるのが、オブジェクトの増加により視認性が低下したマップと、一部のデザインが変更された敵である。今作では前作以上に街路樹や建物がマップ全体で乱立している為、そもそも遠距離から敵を視認する事自体が不可能な場面が多い。

敵に関しても、平べったくなったドローンやハッチが高速回転する為、直下まで接近しないと攻撃が当て辛い輸送船などが強く印象に残る。地上の敵(蟻など)も増加した建物に張り付いて延々と不規則に動き回るので、これまた当て辛い。

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今作の戦闘ドローン。さながら「空飛ぶホタテ」で、横方向からの被弾率は大幅に低下している

③同武器の2丁持ち不可
決定的な仕様変更の代表例が、同じ武器を同時に装備出来なくなった事である。従来の作品で万能の性能を発揮したライサンダーの2丁持ち等が出来なくなった事で、命中率と威力の低さを2丁持ちのファイアレートでカバーする事も出来ない。

④接近戦への誘導
命中率の低下は、一見ストレス要因を増加させるだけの様にも見えるが、武器の最大威力と装弾数自体は全体的に底上げされており、接近戦のアドバンテージは増加した。これにより、ある程度被弾を覚悟の上で接近戦に持ち込む必要性を持たせ、攻略のテンポを維持すると同時に、より激しい白兵戦が再現出来るようになっている。

ついでに言うと、フュージョンブラスターやノヴァバスターのような、リロードは出来ないが一撃必殺の超兵器も丸ごと削除された。これは大幅に強化されたショットガンでカバーするようにと言う事だろう。

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セミオートショットガンでエイリアンを吹き飛ばす場面。前作のブラスター系には劣るが、それでも至近距離なら、かなりの瞬間火力を叩き出せる

この接近戦への誘導は、侵略者との死闘を演じるという物語の雰囲気作りにも貢献しており、被弾と死亡率の上昇は、全兵科で味方のNPCを回復可能になった事とアーマーの上昇率の増加でそのリスクが担保されている。

NPCの強化
前作では殆ど囮にしかならなかったNPCも強化されている。今作では主人公専属の部隊が加わり、特にフェンサーのエリート部隊「グリム・リーパー」は凄まじい戦闘力を誇り、襲い掛かる雑魚の波を千切っては投げまくってくれる。(前作では歩く棺桶状態だったNPCフェンサーがこれほど頼もしくなったのは感動モノ)

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コロニストを攻撃するグリムリーパー隊。ちゃんとスラスターや盾を使い、準ボス級でも勇猛果敢に立ち向かう

一般に「強すぎるNPC」はプレイヤーのお株を奪いがち(バイオハザードやArmy of Twoなど)だが、彼らの場合「大物は任せるぞ」とこちらの役目を引き立て、プレイヤーが決めるべき所はちゃんと決めさせてくれる。最高難易度の終盤では彼らを含めたストームチームが居ないとクリアできないミッションもあり、おかげで一つの部隊として共に戦い、死線をかいくぐる感覚は前作以上のものになった。

要するに
「遠距離からペチペチ撃ってるぐらいなら、さっさと接近して張り倒してやれ。」
「一人で戦うな。もっと味方を頼れ。
という事だろう。

では、スナイパーライフルは全くのお役御免になったのかと言うと、そうとも言い切れない。スナイパーライフルにも弾速と重力落下は存在するが、威力減衰が無い。つまり、当たりさえすればちゃんと敵を倒せる。種類もKFFやターミガン等、扱い易く、ワンショットキル出来る武器が増えた。2丁持ちに関しては、便宜的なものであれば可能である(例:ライサンダーFとライサンダーZの2丁持ちは可能。それでもタクティカルファイアのレートは前作よりも低い)エイリアンの部位破壊という点では、ライサンダーやファングなど1丁でも十分有用である。
存在感が低下したのは確かだが、最低限の花は持たせたようだ。

狙撃銃の替わりに存在感が増したのがミサイルランチャーである。前作では最高難易度ではMEX5ぐらいしか使い物にならなかったが、今作ではMLRA(低威力のミサイルを大量にバラ撒く)やプロミネンス(高威力の単発式ミサイル)なども大幅に強化されINFERNOでも十分実用に耐える武器となった。さらに、ミサイルランチャー専用の補助装備が登場した事により性能以上の恩恵を受ける事が出来る。

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MLRAで白蟻と緑蟻を薙ぎ払う場面。レーダーを埋め尽くす赤点が瞬く間に減っていく様は痛快の極み

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MEX5でインペリアルドローンにミサイルを集中砲火する場面。通常なら雑魚相手に使うミサイルランチャーも、補助装備「多重ロックオン」を使えばボスキラーに一変する

厳密に言えば、2丁持ちライサンダーの万能性を他の狙撃銃やミサイルランチャー等多くの武器に分散させる事で武器選別に重要性を持たせたと考えられる。

考えてみれば、前作ではアサルトライフルで狙撃したり、スナイパーライフル2丁で接近戦という滅茶苦茶な戦い方をしていた。今作ではリアリティを追求した結果、接近して低威力の弾を大量にバラ撒くか、遠距離から会心の一撃を確実に当てるか、2つの方向により特化させようという試みが感じられる。

とは言え、全体的には接近戦寄りの調整であり、この一連の調整は、新たなゲーム体験の方向に舵を切ったというより、地球防衛軍シリーズの様式美とも言える ピーキーな射撃よりガチンコの物量戦」を再強化する為のスパイスだったと言える。

(オンラインでは話が変わってくる。火力と機動力不足の為、ショットガンやリバーサーがほぼ必須になり、あまりバリエーションに富んだ武器選択は出来ない)

 

コインの裏、ハードボイルドEDF

一方でストーリーは、演出が優先された序盤が示す通り、これまでのシリーズとは一線を画す内容になっている。これまでのシリーズ作品のストーリーは、侵略者に立ち向かうEDFと主人公ストーム1の「勇敢さと栄光」を讃えたものだったが、今作では侵略者との戦いに伴って発生する「犠牲と悲劇」に焦点が当てられている。

「勇敢さと栄光」と「犠牲と悲劇」ーーーこれは、いわばコインの表と裏であり、裏の部分に関してはこれまでのシリーズでも間違いなく存在したはずだが、敢えて語られなかった部分である。

今作では「侵略者との戦い」という同じテーマを扱いながら、別の側面からアプローチを掛けており、その雰囲気は随所に表れている。例を挙げると、

・ショッキングなイントロから始まり、哀愁を漂わせる流れに変わるタイトルBGM

コントラストを抑えた単色、灰色のマップ

・前作よりも、悲壮で切迫したゲーム内BGM

・「犠牲無くして勝利は無い」と歌って憚らないEDFの歌

・エイリアンの攻撃によって腕が千切れたような隊員の無線、救助に向かおうとして死亡する隊員の絶叫

・暗雲立ち込める無人の街でのラスボスとの闘い

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M13「転機」より。事態が深刻化していく様が、灰色の空と深々と降る雪によって表現されている

この雰囲気をさらに際立たせる要素として、ある種の皮肉や生々しい設定群が存在する。

・中盤以降大量に出現するテレポーションシップによって、序盤で既に全人類の2割が死亡する

・テレポーションシップ一隻を撃墜するために戦術核を使用する

イプシロン初登場時のEDF隊員の台詞(「こいつを人間に使うつもりだったのか」)

・グリムリーパー隊が「紛争」でコンバットフレームを破壊したという話(明らかに地球人同士の争いが存在していた)

・北京戦でのエイリアン敗北の原因

・戦争経済への皮肉(最終的には入隊から一年後には50万ドルを支給するというEDF入隊奨励のニュース、つまり一年以内にほぼ確実に戦死する)

・終いには、神話やオカルトじみた話にすがり始める本部のオペレーター

・最終戦にて発動されるオペレーション・オメガ

この雰囲気の変わり様に対する賛否は様々だろうが、個人的にはシリーズの印象を変える事には成功していると感じる。

恐らく今作は、特撮映画寄りだった従来作にハードボイルドのテイストを加えているのだろう。悲壮感を漂わせながら闘い続けるストーム1とEDFの隊員達には泥臭い格好良さがあるし、誰もが否応なく戦いに巻き込まれる今作は、これまでのシリーズで全人類が一丸となって闘った代償として死んで行った人々へのレクイエムでもある。

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二番と三番が入れ替わるエンドロールの合唱は、人の消えた大地に響く、散って行った仲間達の言霊だろう

ただ、シリアスに寄り過ぎた感も否めない。

前作では最終的に全人類の半数が死亡するが、今作ではそれを遙かに上回る凄まじい数の犠牲が発生する。物語を締めくくるエンディングでの言及もかなり絶望的な内容になっており、一応「それでもEDFがいるから大丈夫」的なフォローは入るが、それも虚しい励ましというか、希望的観測に過ぎず、その後の人類の運命を思うと、私は暗澹たる想いに囚われてしまった。

エンディングに関しては、ネガティブな方向で言及しすぎているように思う。これはDLCのミッションで挽回されるのかも知れないが、DLC未プレイのプレイヤーへのフォローも欲しかった所ではある。

 

長過ぎる中盤、システムの限界点

本作のストーリーでは大きな犠牲が発生すると書いたが、実はこれにはプレイヤーの時間とモチベーションも含まれる。

時間だけなら「楽しく遊び続けた結果」なので良いのだが、問題はモチベーションの方で、一言で言うと「長過ぎる上にテンポが悪い」

本作には、完成されたゲームシステムをベースに様々な追加要素や仕様変更、改善など「遊び続けるモチベーション」を維持する為の仕掛けが施されているが、増え過ぎたミッションにそれが追い付いていない。

まず、ミッション数はただでさえ多かった前作より2割程増えているが、中盤以降になってもなかなかストーリーが進展せず、それほど重要ではない無線一つを聞くために数百体の敵を倒さなければならないミッションが増える。

ミッションの内容自体も既視感のある、いわゆる「水増し」のような設計で、これにより1周目でも後半になると強烈な作業感に襲われる事が度々あった。

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前半で上がったテンションは、リソースのネタ切れから来るデジャブ感によって、後半で失速する

仮にミッションを増やすなら、戦局を左右する重大な局面(潜水母艦の撃沈、総司令部壊滅など)に立ち会える様なミッションにするべきだったと思うが、そうなると今度はマップや敵のバリエーションの少なさというシリーズの本質的な弱点が浮き彫りになる。

この弱点は歴代のシリーズにおいて、同じマップでも天候や建造物の壊れ具合など、一見それとは判らないような絶妙な使い回し、ミッション間のリズミカルな配置と差異でカバーされてきた(この辺はクリエイターというより職人の域である)が、今作ではミッション数を増やしすぎて、リソースの少なさは前作よりも目立つようになり、結果として早々と作業ゲーに切り替わる可能性も高まってしまった。

ミッションの並べ方に関しても、前作よりもミッション間のコントラストは曖昧で、メリハリが効いていない。

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ミッション数の増加と没個性的な内容により、一度クリアしても内容を忘れやすい、あるいは間違えやすいミッションが結構多い

個人的に地球防衛軍のリプレイアビリティーの真価は難易度と兵科の選択にあると感じていたので、ミッション数自体はもう少しコンパクトにまとめるべきだったと思う。(むしろ「もう少しプレイしたい」ぐらいでも良かった)

少なくとも、惰性になり易いウルトラボリュームをゲーム側から一方的に押し付ける必要は無かっただろう。なにせこの後にはDLCの追加ミッションが待ち構えているのだ。

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大体M1~M19までがプロローグ、M20~M40までが序盤、M41~M100までが中盤で、最後の10ミッションでようやく話が進展する感じだろうか

この多過ぎるミッション数を無理矢理擁護するなら、ストーリー自体がかなり凄惨なため、その分印象がマイルド(悪く言えばフラット)になると言え無くもないし、オンラインではインフェルノでも気軽に敵をぶっ飛ばせる序盤、歯応えを感じさせる中盤、胃がキリキリ舞いする終盤と、ミッションによって初心者から上級者で棲み分けが出来ているとも考えられ無くもない。 

 

が、それを差し引いても擁護出来ないのが「待たされる」ミッションの存在である。

本シリーズのストーリーはよく「B級」と呼ばれてはいるが、実は遊び続ける為には欠かせない、プレイのモチベーションを維持するための大きなファクターである。これはストーリーを見る為にプレイされる、いわゆるストーリードリブン型のゲームと好対照を為す。

プリレンダどころか、リアルタイムレンダのムービーも挟まず、ストーリーは最低限の無線で済み、それ自体が爽快な演出になるアクションや派手な攻撃手段など、とにかくテンションを維持しながら遊び続けられる様に設計されている。

それが今作ではNPCの会話が優先された為、ノロノロ走るNPCに着いて行き、会話が終了するまでミッションが遅々として進まず、グッタリしたところでようやく敵が湧いてくるといった作りのミッションが増えた。

この手のミッションは序盤で終わりかと思われたが、中盤以降でも時折顔を覗かせては、テンションをへし折ってくれる(前作でも待たされる事はあったが、ここまで頻度は多く無かったし、最悪NPCを峰撃ちすれば、すぐに敵が湧いて攻略を進める事が出来た)

本シリーズは周回プレイが前提と言っても良い作品である為、この欠点は2周目以降で特に目立つようになる。この演出方法は、そもそも根本的に地球防衛軍ゲームデザインと噛み合っておらず、必要以上にプレイ時間が膨れ上がる原因になる。

結果として、今作ではプレイする前から面倒くさいと感じるミッションが増えた。それも、NPC絡みのイベントを見なければならないという、純粋なゲームプレイとは別の問題としてである。

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ミッション2「闇からの脱出」や33「洞穴侵入作戦 第二段階」などは今作を悪い意味で象徴するミッションである

武器の強化システムについても疑問符が浮かぶ。今作は武器を拾っても強化する必要があり、恐らく武器集めの作業に意味を持たせようとしたのだろうが、実際は「武器がどんどん強くなる」のではなく、「未完成品を完成品にさせなければならない」と言った方が正しい。中々ドロップしないレア武器の強化は骨が折れるし、そもそも強化の仕方が分かりにくいのは致命的だ。拾った武器アイテムが被っていた場合は、自動でアーマーに変換される位の調整で良かっただろう。(それはそれで、アイテムのドロップ率自体を下げてきそうな気もするけど)

 

総論

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世の中には、いつの時代も変わらず愛され続ける「老舗の味」というものがある。本シリーズも5作目が発売された今、もはや老舗のフランチャイズと言って良いだろう。

だがこの「老舗」は一見お断りのお高く止まった老舗ではない。複雑なゲームモードの追加や安易なオープンワールド化、果てはコンシューマーでもガチャ要素をねじ込んで来る「大作」シリーズが多い中、シンプルなシステムはそのままに、柔軟な難易度や現代のアクションゲームに見合った操作性でカジュアルからコアまで多くのゲーマーを受け入れるその懐の深さと堅実な開発姿勢は昨今のゲーム産業でも頭一つ抜きん出ている。

この開発姿勢に市場もしっかり応えたようで、発売から1ヶ月弱で30万本を売り上げるシリーズ史上最高の大ヒットとなった。(これにはD3の緻密な販売計画もあっただろうが、それでも発売が2度延期されてなお、この売上本数である)

www.4gamer.net

安易なトレンドに流されず、アクションゲーム、シューティングゲームとしての原初的体験を堅実に守り続けている点でも本作は貴重な「ネオ・クラシカル」な作品であり、そんな作品がこれだけ売れまくっているのはシリーズのファンとしてだけでなく、1ゲームファンとしても痛快な出来事だ。

最近ではリブートしたDOOMウルフェンシュタインなど、最新技術で作られる古典的シューターが徐々に活気付くようになっている。市場を独占とまでは言わずとも、地球防衛軍も含めて、この様な作品はいつまでも残っていて欲しいものだ。(シリアスサム4も早くこのラインナップに加わって欲しい)

本シリーズが何より評価出来る点は、エンターテインメントとしての取っ付きやすさだろう。気軽に始められて、気軽に止められて、また気軽に再開出来る。

この「気軽に止めて」、「また気軽に再開出来る」と言うのが重要で、止め際に対してしつこい客引きの様に食い下がるゲームが多い中、このシリーズは「また来いよ」と笑って見送ってくれる。前作もそうだったが、老舗でありながら近所の駄菓子屋みたいな親しみ易さがある。今作も同様。

勿論、この「味」自体は好き嫌いがハッキリ分かれるが、シンプルなシステムとアクションゲームとしての確かな手応え、EDFの「隊員ごっこ」遊びはこのシリーズが持つ強烈なオリジナリティーであり、また商業的な意味でも唯一無二の強みの裏返しと言える。

一方で、増えすぎたミッションや演出過多でシステムの限界点を突破してしまったのも事実である。サンドロットがシリーズの長所や短所を見失いそうになっている、あるいは強迫的なボリューム信仰に囚われているのではないか、という疑念も浮かんでくる様になった。

このまま次回作でも一方的にボリュームが増加し続ければ、勲章の穴埋めやアーマー・武器の収集に追われるだけの作業ゲーという弱点だけが先行し、ファンもその作業の山で窒息してしまうだろう。(このシリーズが合わなかった、或いはシリーズのファンだったが辞めてしまったという人のレビューを見ていると、この弱点を指摘している事が多いように思う)

今秋には外伝作品である「EDF:IRON RAIN」の発売が控えている。シリーズのオルタナティブとは言え、一年以内の新作発売はユーザーに既視感を感じさせる可能性も高い冒険でもある。

それでもD3Pがシリーズ展開において攻めの姿勢に入っているのは喜しい限りだ。少なくとも、私としては、極東支部でも北米支部でも侵略者を返り討ちにする気満々である。フォーリナーだろうが、プライマーだろうが、ラヴェジャーだろうが、喜んでぶっ飛ばしてやろう。

ひょっとすると、外伝自体のシリーズ化を考えているのかも知れないし、INSECT ARMAGEDDONのようなシリーズの革新的実験を試みているのかも知れない。

果たして本家とどれだけ差別化が図れるか、しばらくはプライマーとの戦いで腕を磨きながら、楽しみに待っておくとしよう。